第23回東京国際ブックフェア取材報告

2016年9月23日(金)~26日(日)10時~18時、東京ビッグサイトの西展示棟で開催された第23回東京国際ブックフェアは、一般来場者にも公開されている。電子書籍ゾーン出展ブースでは、BtoBマーケティングに関わる、つながる展示説明も見られた。

特集

2016年9月23日(金)~26日(日)10時~18時、東京ビッグサイトの西展示棟において第23回東京国際ブックフェアが開催された。470社が出展、入場者数はおよそ4万人。
教育サイトQureでは電子書籍について同フェアを取材し特集として掲載。Qure特集より、MarQに関連する内容を二つの視点でまとめる。

同ブックフェアーは一般の来場者も全会期入場可能な見本市であり、ビジネス、学生、子ども、保護者など様々な対象に向けてエリアが分かれ、一般来場者向けのイベントや販売コーナーもある。
MarQでは、1.社員教育教材としての電子書籍2.販売促進ツールとしての電子書籍という2点について、ブックフェアの内容を紹介したい。

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1.社員教育教材としての電子書籍

先月、Qureでは【シリーズ】日本 電子書籍導入から電子図書館創設へという記事で、株式会社メディアドゥの法人向け電子書籍サービス「bizbook」、株式会社ブックビヨンドが電子図書館サービス“LibrariE(ライブラリエ)”(株式会社日本電子図書館サービスが運営)に電子書籍配信開始、三井住友海上火災保険株式会社がマルチデバイス対応の“BookLooper(ブックルーパー)”(京セラ丸善システムインテグレーション株式会社が提供)を導入し電子図書館を創設という三つのニュースを掲載した。

電子書籍の図書館は、利用者がいつでも好きな場所からアクセスして書籍を読むことができる。話題となっているビジネス書、業務に必要な知識や技術の専門書、資格や検定対策書などがそろえてあれば、紙本で同じ内容を購入して社内の本棚におくよりも通勤時間や休憩時間、移動時間などスキマを見つけて読んでいくことができる。

◆株式会社堀内印刷所◆は、各種資格対策を紙本、電子書籍、アプリで展開する。紙本とアプリ両方が提供されているものもあり、使う時間や場所を考えて併用することで、さらなる学習効果をねらう。
自宅でメモをとったりまとめたりしながらじっくり学習するときには紙本、通勤や通学のスキマ時間にはアプリを使ってその予復習を行う。アプリでは誤答問題やブックマークした難問のみをやり直すなど問題の選択も簡単だ。
社会人が個人で自宅学習のために紙本を購入、通勤や通学のスキマ時間には企業の電子図書館にある電子書籍を読むことができれば、時間が有効に使える。

さらに、電子化によって紙の書籍単体ではできない新しい便利さを持つアプリによる学習も社会人向きだ。CD付きの英単語本は多いが、書籍とCDを聞くためのプレイヤーと両方を使う必要があるが、アプリであればタブレットやスマホなど一つのツールで済む。◆フロンティアマーケット株式会社◆の”耳勉”は、宅建受験学習用無償アプリであり2年前にiアプリとして開発、アンドロイドアプリを今年から発売している。ノイズがあることで疲れていても脳は集中して聞こうとするため、利用者は学習後の記憶効果に驚くという。
業務に必要な資格試験対策として企業内研修の新しい教材としての可能性も考えられている。

2.販売促進ツールとしての電子書籍

電子書籍を簡単に作ることができれば、カタログや取扱説明書、使用例など現在はPDFでアップされていることが多い販売促進ツールを、スマホ、タブレット、PCなどどれでも見やすくインタラクティブな魅力あるコンテンツとして提供することができる。PDFを結局は印刷して見るのではなく、知りたいことだけを、また知りたいことから知りたいことへと、Web上で快適に探し読むことが可能になる。

電子書籍を読むことを普及させてきた◆株式会社ボイジャー◆は、個人出版のニーズに応えて”Romancer(ロマンサー)電子出版のためのWebサービス”を「読む手段から作る手段の提供」を始めている。複雑な手順もなくコストもかからず、個人作家が電子書籍として作品を配信できる。無料で使用できる作品の出版・公開サービスであり、有料の制作協力サービス・販売委託サービスも準備されている。
業務用としては、PDF・画像・Wordファイルから高品質のEPUBと作品URLを作成する有料Webサービスを提供する。

◆株式会社平河工業社◆は、電子書籍による立ち読みをWEB上で実現している。HTML5対応のWeb上で読める電子書籍サンプルを公開し、販売促進ツールとしている。
電子化すれば音声や動画もリンクも埋め込むことができるため、インタラクティブに読むことが可能になる。見る側のディスプレイ画面の大きさに左右されない同社の固定レイアウト型電子書籍は、雑誌、専門書、一般書籍などを印刷物と同じようにページを表示する。電子配信の雑誌の新コンテンツ一部をこの方法で登録者に配信するといった使い方をする出版社もある。
PDFファイルのカタログや取扱説明書も、この形式であればより内容が見やすく探しやすく、同社配布資料にある「一歩上を行く操作性と楽しさ」を与えることができて商品の仕様や使い方を分かりやすく伝えるだろう。

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【参考資料】

BookFair会場全体の中で、電子書籍のコーナーは、紙本と電子書籍両方が紹介され印刷技術についての展示もあり、読むこと・書くことの歴史を最も感じさせるコーナーであった。印刷技術の誕生と発展が読むこと・書くことに大きく関わってきた。現在は電子化がまた新しい方向性や広がりを与えている。印刷技術については、総合展示で様々な印刷を見せて印刷の歴史を紹介する◆印刷博物館◆が過去だけではなく今後についても考えるための情報を与えてくれる。写真集アンドレ・ケルテス著/渡辺滋人訳◆読む時間◆(株式会社創元社)の写真は、印刷と共に読むことがどのように広がってきたかを語る。
また、手書きではなくコンピュータのアプリを使って、どのように調べ書くかについては、奥出直人著◆物書きがコンピュータに出会うとき◆河出書房新社)を最初に読みたい。
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