【連載特集 ニュースから選ぶトピック】No.1 WEBフォント&印刷用フォント

MarQに掲載したニュースやイベントの取材、関連書籍などから、新しいトピックを毎回選んでニュースの背景や企業動向、具体例など説明していく。不定期に更新予定。

特集

◆新しいフォントを使いたい-WEB◆

インターネットの情報をWebブラウザで見る場合、Webコンテンツを制作した企業や個人がどのようなフォントを使っていても、一般的には見る側の持っているフォントでしか表示されない。読みやすさやデザイン性を考えてフォントを選んでもムダになる。それを解消するサービスがWebフォントである。

第4回Webグランプリ 企業グランプリ部門において、公益社団法人日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会は、株式会社モリサワの企業サイトをグランプリサイトとして選んだ。同会には2016年10月末現在420社が加盟している。
11月初めに、同社はWebフォントサービス“TypeSquare”にタイ文字60書体と中国語簡体字4書体を追加した。これらの書体を利用すれば、それぞれの言語でよりビジュアルなWeb発信が可能となる。

インターネットの情報をWebブラウザで見る場合、Webコンテンツを制作した企業や個人がどのようなフォントを使っていても、一般的には閲覧する側の持っているフォントでしか表示されない。読みやすさやデザイン性を考えてフォントを選んでいても、ムダになってしまう。
これまで特別なフォントをWebで表示させたいときは、その部分を画像にして掲載していた。この方法では、変更があると一つ一つ画像を作り直すことになる上、文字検索の対象にならないため閲覧者には不便である。Webフォントサービスは、それを解消するサービスがである。サービスにおいて提供されているフォントは文字としてどのようなブラウザでも見ることが可能となる。もちろん文字として簡単に変更できるため、余分な作業も減る。

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Webフォントサービスを提供する3社の今年のニュースから、Webフォントを使う意味について紹介する。

ダイナコムウェア株式会社は、7月に“DynaFont Online”Webフォントシミュレーターと文字詰め機能を新しく付加した。同社はWebフォントのメリットを「フォントをWeb上でテキストとして正しく表示することは検索性の向上、SEO強化に役立ち」「フォントを画像化したデータより容量も大幅に軽くなることでページの負荷が減り快適なWebサイトに」なることをアピールしている。フォントシミュレーターを使えば、表示したいサイトのURLを入力して、フォントを選ぶと、どのように表示されるかを実際に見てイメージを確かめられる。
      

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株式会社モリサワは11月にWebフォントサービス“TypeSquare”にタイ文字60書体と中国語簡体字4書体を追加した。これらの書体を利用すれば、それぞれの言語でよりビジュアルなWeb発信が可能となる。”TypeSquare”では、Webフォントのメリットを「通常のテキストと同様、文字サイズの調整やCSSによる効果も思いのままに設定」できること、「自動翻訳や音声読み上げといった機能とも連携」しやすいとも説明している。また、トライアウトを使えば、やはりフォントを変えてどのように見えるかを試してみることができる。第4回Webグランプリ 企業グランプリ部門において、公益社団法人日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会は、同社の企業サイトをグランプリサイトとして選んでいる。同会には2016年10月末現在420社が加盟している。
      
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ソフトバンク・テクノロジー株式会社は“FONTPLUS”を提供する。11月の同サービス公式サイトリニューアルによって全ページWebフォン化されたページは、文字詰めや表示位置ズレなどの”FONTPLUS”機能のサンプルともなっている。リニューアルによって、「各種情報をより素早く、分かりやすくお客様にお伝えできるよう、レスポンシブWebデザインを採用するとともに、全体的なデザインをリニューアルし、ユーザビリティの向上を図っています」という。

    

◆なぜフォントを選ぶか◆

フォントに最も要求されることは、それぞれの文字がしっかりと識別され読みやすいことである。読み間違いを少なくするためにできるだけ文字の識別性が高いフォントを選ぶことは基本である。最近は新しいカタカナ語を読みづらいという人も多い。そのため「ソ」と「ン」や「ツ」と「シ」、濁点、半濁点などがしっかりと見やすいフォントを探すとよい。また、どのフォントが読みやすいかは、年齢や文字を読む習慣の違いによって異なることもある。いくつかのフォントを使って資料を制作し読みやすいものを選ばせると、内容に対する親しみやすさが増し読む速度も速くなるという。

タイトルや見出しなどには、ゴシックの太い文字をよく使うが、線の太さがほぼ一定であるゴシックよりも、線の太さ・細さ、とめ、はねなどがしっかりと分かるフォントを選んだほうが実は見やすい。種類の多い手書きに近いフリーフォントは、印刷すると用紙によっては本当に手書きと間違えられるほどで、それを読みやすさと感じる人も少なくない。

また、色々なタイプのフォントをたくさん揃えているからこそ、可能になることもある。近年、眼を酷使する生活が多くなっているせいか、細い文字は読みにくい、太すぎるとつぶれて見えるなどという声も聞く。少しでも「読むこと」の負担を少なくするためには、文章全体の量、漢字率、漢字の難易度、カタカナ表記の外来語の多少などを考慮してフォントを使い分けるという視点もある。文字サイズ、印刷配布したりディスプレイ上で見せたりするときに、字間、行間などの設定を変えることによって読みやすさを工夫することとともに、読みやすいフォントを探すことも大切だ。

◆新しいフォントを使いたい-印刷媒体・PDF◆

印刷で使用する新しいフォントを入手するには二つの方法がある。
一つは、上記株式会社モリサワやダイナコムウェア株式会社などの有料フォントを買う方法である。オンラインのフォント販売サイト“Font Garage”“デザインポケット”などを利用したり、フォント集書籍、PC雑誌の付録などを購入することもできる。
もう一つはインターネットで無料フォントすなわちフリーフォントを探しダウンロードして入手する方法である。フリーフォントも書籍やPC雑誌の付録に入っているが、必要なフォントをインターネットで探すことはむずかしくない。「フリーフォント 毛筆 式次第」と入力してYahooで検索すると図のようにフリーフォントを集めたサイトが見つかる。(2016/12/13)

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◆フリーフォントの使用上の注意◆
使ってみたいと思うフリーフォントが見つかったら、ダウンロードする前に、どのような条件で使えるか、また自分のPCで使えるか、必要な文字種類があるかという三つの問題をまず調べてみる必要がある。

まず、使用条件である。フリーフォントが無料または無償であるといっても、それを自由勝手に使ったりコピーして他人に配布したりしてよいわけではない。

ほとんどの場合フォント製作者の著作権の放棄はされていない。個人・商用利用の有無によって無料有料が変わる、フォントデータそのものを無断で再配布するまたは販売する行為やフォントファイルの改変などについては禁止事項があるなど、使用条件の詳細はフォントごとに異なる。作者ページで必ず使用条件を読み確認、同意して使用すべきである。特に商用利用(印刷物、WEB、販促物など規定あり)の場合、規約の不明点は、必ずフォント作成者に直接問い合わせた上で利用しよう。

次に、自分のPCについては、フォントの動作環境(OSのバージョン)条件に合っているかどうか、共用PC、職場のPCの場合は、フォントをインストールする管理者権限があるかどうか、インストールが許可されているかどうか、確認しておく。

文字種類について、”ロゴたいぷゴシック”では「数字、アルファベット、記号、かな文字(ひらがな・かたかな)、教育漢字、常用漢字、第一水準漢字、第二水準漢字(途中まで完成)、その他主要な多言語」とある。フォントを選ぶときは、このように文字種類、特に漢字についてどこまで必要かを考える。年賀状、祝儀袋、熨斗など用途を限定し、漢字数も絞っているフォントもある。

 
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